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2015年10月16日

住宅を設計するとき

私が住宅を設計するとき、一番最初に考えることは「この土地でどこが一番気持ちよくいられる場所だろうか」ということです。そこに家族が集まる中心となる部屋を置き、その部屋から他の部屋へとつながっていくように考えていきます。

では、一番気持ちのいい場所とはどういう場所でしょうか。私は、その部屋の窓からプライバシーを気にせずにゆっくり外の景色が眺められるような場所だと考えています。それぞれの物件でいろいろ違うと思いますが、今回は「桜の見える家」(自邸です)で私が考えたことをお話しします。
自邸10.16
まず敷地を見たときの一番いい場所、それは南にある道沿いの桜並木の緑道です。その向こうにカーディーラーがあり、高い建物が無い為、かなり遠くまで見渡せます。この桜が見える場所に家の中心を置き、いつも空と緑が眺めるようにしようと考えました。道からの視線は塀をつくってさえぎり、プライバシーを確保するように考えました。塀の高さは、ダイニングに座ると塀越しに空と緑しか見えない高さで、できるだけ低くなるように、工事中現場で決定しました。リビングの吹き抜けを介して、2階からも景色が見えるように、2層分の大きな木製サッシを設置しました。これで家の中心になる、気持ちがいい場所ができました。

実際住んでいつも感じていること、それは、「空しか見えないことがこんなに気持ちのいいことだったのか」ということです。緑道の緑にも心癒されますが、空が見えることが一番良かったと思います。家族も同じように感じているのか、それぞれ別のことをしながらも、自然とリビングに集まっています。我が家の一番気持ちのいい場所になっています。




著:山野 公嗣 スペースデザイン


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